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第2回 22世紀委員会(2025.3.13) 開催報告

 第2回22世紀委員会は、2025年3月13日(木)に東京大学医学図書館333講義室にて開催されました。クボタから13名、東京大学から10名の委員が参加し、加えて先生方4名、陪席者12名(クボタ7名、東大5名)を迎え、対面形式での活発な討議が行われました。

 冒頭では、東京大学 滝沢智教授(大学院工学系研究科 都市工学専攻)による講義「100年後の都市水システムの在り方」が行われ、水インフラの歴史的背景や世界の事例を交えながら、未来の都市水システムの可能性について学びました。続くグループワークでは、「未来の悲観的なシナリオと楽観的なシナリオを描く」、「持続的な水インフラシステムを実現する革新的な技術を考える」という2つのテーマを元に、各グループで意見を出し合い、全体討議と講師からのコメントを通じて考察を深めました。

 議論では、壊れにくく修復しやすい水道管、ドローンによる水分配、家庭単位での水循環システム、大気からの取水や雲への水道管接続など、スケールや視点の異なる多様な技術が提案されました。また、人の水利用そのものを変える技術として、宇宙服型装置や体内浄化機能など、未来の生活様式に踏み込んだアイデアも登場しました。多岐にわたる議論はグラフィックレコーディングを活用して整理され、以下のような技術的視点に分類・構造化されました。これにより、100年後の持続的な水インフラシステムにつながる「革新とは何か」を掘り下げることができました。
・インフラ技術の強化: 壊れにくく修復しやすい技術の開発
・水循環システム:大・中・小の規模に応じた分散型技術の開発
・経済的な水システム:効率的な水取得・活用技術
・人の水利用を変える:人体自体を変化させる技術

 参加者からの声の一部を抜粋しました。
・水インフラは馴染みのない分野だったが、講義のおかげで理解が深まった
・固定観念を捨てて、ゼロベースで議論を見直す姿勢や常に新しい視点から物を見ようとしている点を見習いたい
・専門外であっても想像を膨らませて、既存の枠組みにとらわれない自由なアイデアを出していく姿勢を学んだ
事後のアンケートではすべての回答者から満足(まあまあ満足を含む)との評価をいただきました。

 本会は、今後も年数回の頻度で開催していきます。企業研究者と大学研究者が異なる視点から相互の気づきを得て、新たな発想や解決策の提案につなげるとともに、討議を通じた相互理解を促進し、深いつながりと信頼関係を築くことを期待しています。

 このたびご参加くださいました皆様、ならびに開催にあたりご協力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。

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