概要

~「食料・水・環境」グローカルビオループ創生~
地域から世界まで、生命を育む生物圏のスパイラル

生産活動と地球環境(環境ループ)、自然物と人工物(資源ループ)、伝統的価値を守りながら生産者の生活確保(経済ループ)など、様々なループについて「食料・水・環境」を軸にグローバルおよびローカル・ループのあり方を探求し、多様なステークホルダーを含めたコミュニティー形成と持続可能なグローカルビオループ創生による持続可能な社会の形成を目指します。

100年後の地球へ

(1)食料分野:農業の効率化により、豊かで安定的な食料の生産に貢献

世界規模での食料不足の一方でフードロスの問題が顕在化する中、クボタの農業に関するスマート化技術にバイオテクノロジーや UTokyo Compass の重点項目であるデジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)技術を足し合わせることで、新しい食料生産・流通・消費の循環「食のビオループ」創生をめざします。

(2)水分野:水インフラの整備により、安心な水の供給と再生に貢献

人口増加による水需要の増加、河川・海洋の汚染などにより、生活に欠かせない水資源に問題を抱えている地域が既に存在しています。クボタと東京大学の水に関する先端技術や研究を融合し、安全・安心な水の供給と再生に取り組むことで、生物圏に優しい水循環の仕組み「水のビオループ」創生をめざします。

(3)環境分野:社会基盤の整備により、快適な生活環境の創造と保全に貢献

農林水産業は、世界における温室効果ガス排出量の 1/4 を占めており、2050 年カーボンニュートラル社会を実現するために極めて重要な分野です。クボタと東京大学が協創することで、二酸化炭素やメタン等の温室効果ガスの排出削減とその資源化、資源の使い捨てから循環への移行を実現し、持続可能かつ生物圏に負荷をかけない、未来の私たちの快適な生活と環境保全を両立させる「環境のビオループ」創生をめざします。


東大、クボタの双方の中長期ビジョンの推進とともに、より良い未来社会を実現

本協創事業では、東京大学が得意とする生態系や物質循環に関する現象の解明やモデル化などの学術的な研究と、クボタが得意とし、人類の生活に直結する食料・水・環境の分野における様々なデータを取得するセンシング、データ解析、予測技術、そして可視化されたデータを基に行動に移すための機械設計や制御技術などの実践的な研究や技術開発を融合していきます。これにより「食料・水・環境」のビオループ創生とそれぞれを有機的につなげたソリューションの提供をめざします。

東大としての意義

「UTokyo Compass 多様性の海へ:対話が創造する未来」のもと、対話と信頼の相互連環を創成していくことで、様々なステークホルダーと協調して社会課題を解決していくことをめざします。 循環型社会の実現に必要な「バイオエコノミー」や「サーキュラーエコノミー」について豊富な教育と研究の実績がある東京大学に、実社会において”命を支えるプラットフォーマー”を目指して、食料・水・環境に関わる様々な事業を手掛けるクボタと連携することにより、実社会の視点・観点も加わった推進を期待します。

クボタとしての意義

長期ビジョン「GMB2030」のもと、 ”命を支えるプラットフォーマー” として「食料の生産性・安全性の向上」、「水資源・廃棄物の循環の促進」、「都市環境・生活環境の向上」に向けたソリューションの提供をめざします。1890年の創業以来、食料・水・環境に関わる様々な社会課題の解決に数多く取り組んできたクボタに、東大が有する多様かつ卓越した学知が加わることにより、基礎研究の強化や長期的視点による研究開発が促されるとともに、優秀な人材の交流による人材育成を期待します。


協創で実施する事業

未来ビジョンの検討

  • グローカルビオループ創生を実現する100年後の地球の探求
  • 様々なステークホルダーと協調して社会課題を解決

共同研究の遂行

  • 実社会の視点・観点が加わった研究の推進
  • 基礎研究の強化や長期的視点による研究開発の促進

人材の育成

  • 食料・水・環境に関わる技術的・社会的・文化的側面から俯瞰できる人材の育成
  • 人材の交流や社会連携を促進するリカレント教育